INTERVIEW

電通沖縄で働く「人」

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前田 弓子
YUMIKO MAEDA
電通国内事業15BP局アカウントリード2部
沖縄県出身/東京総合飲食会社にて
フードコーディネーターとして2年
→沖縄のリゾート会社にて企画広報担当として2年
→2007年電通沖縄入社

電通沖縄の大きな仕事のひとつに、沖縄県とともに取り組んだ沖縄グローバル観光ブランド「Be.Okinawa」があります。全世界に沖縄の本質的な魅力を伝え、観光客誘致に向けて取り組む「Be.Okinawa」というブランドは、最初、どのようにスタートしたのでしょうか。その立ち上げを行い、現在は電通の東京本社に出向中という前田さんに、その経緯を伺います。

QUESTION.

前田さんはいま、東京に出向されているそうですね。

現在は、電通本社の官公庁を担当する部署に出向しています。これまで電通沖縄で、沖縄県内の仕事をする上で海外を見てきたのですが、中央省庁の仕事の仕方も無視はできないと思って、一度それを経験した上で、沖縄に持って帰りたいなと思ってのことです。

QUESTION.

ここでは電通沖縄で前田さんが手がけられた「Be.Okinawa」についてお伺いしたいのですが、まず、立ち上げの経緯を教えていただけますか?

「Be.Okinawa」という観光ブランディング事業を立ち上げたきっかけは、沖縄県庁との話し合いの中で、沖縄にとって観光を経済の一番の柱にするにはどうするかという課題からのスタートでした。最初にその相談をいただいた2013年頃は、香港も週2便、台湾は1日1便、中国も直行便もない時代で、まずは航空会社を誘致するためのアクションを起こすことを県と一緒にはじめたのです。そのためには、魅力的なビジュアルや映像、キャッチフレーズなどを使って「沖縄ってこんなに素晴らしいんですよ」と伝えるためのブランドが必要で、それが「Be.Okinawa」ブランディング事業のはじまりとなりました。

QUESTION.

観光ブランディング事業をスタートさせるにあたって、
まず取り組んだことは何だったのですか?

観光地のブランディングは、電通の日本国内の事例を探してもやったことのない事例で、まずはどういった世界のディスティネーションがブランディングされているかをマーケティングしていきました。世界15カ国、17地域で、「世界に求められている沖縄とは何か」という外のニーズを調べたんです。その後に、内のニーズ、「県民が出したい沖縄とは何か」を調べました。その上で、外から求められている沖縄と県民が出したい沖縄の交点のポイントをブランド化していくことにしました。

QUESTION.

その上で、外のニーズと内のニーズが重なった部分というのは
何だったのでしょうか?

「美しい海とあたたかい人たちに囲まれて本当の自分を取り戻せる島」ですね。これがブランドのキャッチフレーズになり、そこに合わせて、ビジュアルやブランドストーリーをつくっていきました。
沖縄県民の多くが、「沖縄に来たら心も身体も元気になって帰ってもらいたい」とおっしゃっていたし、だけど、海外からの認知度はない、ということもあり、最初から内のニーズに基づき、自分たちが売りたい沖縄を発信できたのは大きかったです。
とはいえ、最初はB to Bとか、世界に向けての発信をするために立ち上げた事業だったので、ブランドをつくる上で、電通がつくったブランドとはしたくなかったんです。それで、世界的に有名なイギリスのグラフィック集団「TOMATO」を起用しました。海外のクリエーティブエージェンシーをつかまえることができたのも、そういうネットワークを持っている電通というバックグラウンドがあったからこそだと思います。
それをもって、県と一緒に航空会社にプロモーションを行いました。地道なセールスでしたが、「こういう映像をつくっています」とか「沖縄はこういうブランドつくって世界に打ち出していきます」ということを丁寧に伝えていった結果、そこから航空会社が動きはじめ、実際、人が動きはじめてきたんです。

QUESTION.

その次のアクションは何だったのですか?

次は、B to Cのコミュニケーションに変わっていって、消費者のマーケティングを行いました。そうすると、フランス人は食だね、とか、オーストラリア人はアクティブだね、とか、ドイツ人はスポーツだね、とか、中国人は買い物だね、とか、いろんな訴求点がわかってきます。それをもとに、中国人にはリッチな沖縄をあてようとか、フランス人には食文化をあてて、沖縄は長寿の島でローフードの美味しいものが食べられるというコミュニケーションをしようとか、全世界に対してコミュニケーションの手法を変えていったんです。それが成功のポイントだったと思います。それもグローバルなリサーチと、メディアのバイイングができる電通だったからできたと思いますね。沖縄を拠点としたこの成功事例というのは、観光地ならではのことではありますが、いま振り返ると、先進的な取り組みだったと思えます。

QUESTION.

いま、前田さんは東京で仕事をされていますが、沖縄から外に出られたからこそわかる、電通沖縄の魅力とは何だとお考えですか?

東京からすると東京を中心とする世界地図を見ていますが、電通沖縄しかり、沖縄県庁の人たちはみな、沖縄を中心に見ていて、地軸をそこに置いているんです。そういう視点で世界を見て、東京に入ってくる外国人ではなく、香港とか台湾に来ている外国人を見るわけですから、台湾や香港などのアジア圏に対してどうセールスしていくかは、東京の電通とは考え方がまったく違うのは当然だと思います。
つまり、「海外に近い」という意識が強いんです。「クライアントはアジアにいる」という視点で仕事ができるのは、東京でも他のどこでもない、唯一無二、電通沖縄しかないかなと思うんですね。だからこそ、ここで働きたいと思う人は、グローバルな視点を持って仕事がしたい人、また、境界線をもたない人が望ましいと思います。
電通沖縄はそれができる会社です。観光でも物産でも、グローバルにも国内にもいろんなカテゴリーに渡って対応できるコミュニケーションがある。これは、電通沖縄の大きな武器だと思いますね。

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