INTERVIEW

電通沖縄で働く「人」

05
Hさん
ビジネス・プロデュース本部
アカウントリード部
チーフ・アカウント・ディレクター
沖縄県出身/2015年より電通沖縄へ入社

ビジネス・プロデュース本部では主に民間企業をクライアントに担当するHさん。沖縄県内の企業はもちろん、県外のクライアントが沖縄地区でプロモーションをする際も担当し、クライアントの課題に対して、「最善のソリューション」を提供する仕事を行っています。クライアントにもっとも近い位置にいる「営業」という仕事だからこそ、心がけていること、そしてこの仕事を通して感じる喜びについて伝えます。

QUESTION.

Hさんのお仕事を教えてください。

主に地元沖縄にある民間企業や、沖縄県内でプロモーションをしたい県外の民間企業を相手に営業を行っています。その時の与件は状況に応じ、新聞広告やテレビやラジオのCMなどのメディア展開にとどまらず、クライアントが必要とするヒト、モノ、サービスなどを広く提案しています。
いっぽうで、クライアントからお題をいただくこともありますし、お付き合いの長いクライアントだと、年間を通してのプロモーションや広告の計画を一緒に考えていくこともあります。
私にとって、つねにクライアントの目線に立って考えることが第一です。しかし、だからこそイエスマンであってはいけないと思っています。
クライアントの要望に応えるのはもちろんですが、それが本当にクライアントにとっていいことなのかを考え、いただいたお題よりもさらに上を行く答えを目標にしていく必要があります。そうすることで、相手も信頼してくれるんです。何よりもお互いの信頼構築が大事な仕事なんです。

QUESTION.

「クライアントにもっとも近い位置」だからこそ見えてくる、
営業の面白さとは何ですか?

私は新卒で電通沖縄に入社し、3年目から民間企業の営業を担当したのですが、最初に担当したクライアントが、泡盛の瑞泉酒造様だったんです。とてもアットホームな会社で、何度も打ち合わせや撮影などでお伺いするうちに、ほぼ全社員の方々と顔見知りになりました。
瑞泉様のようにすでに多くのファンがいる企業であっても、つねに新しいターゲット層の掘り起こしをしていくことを望まれています。特に今、若い層が泡盛を飲まなくなっていますが、担当していた時期の私の年代がまさしく開拓したターゲット層と重なったこともあり、「若い人たちはどういう飲み方をするの?」と、社長さんや役員の方々から直接意見を求められることもありました。みなさん、20代前半の私の意見をとても真摯に聞いてくれ、さまざまな意見交換をすることができました。
でもそれは、電通の力もあると思うんです。若くても、電通の社員なら、期待する答えを返してくれるという信頼があったんだろうと思います。私もそれに応えられるように、クライアントが納得する意見や資料を用意し、一緒にプロモーション案を作っていきました。
現在は後輩が担当を担っていますが、今でも何かある度に連絡をくれるし、相談してくれます。ただのクライアントと営業という関係ではなく、自分もその会社の一員のような気持ちで考えていくことで、切っても切れない関係になるんです。そういう関係で仕事ができることはとてもありがたいし、一生大切にしていこうと思える企業との出会いがあるというのはとても嬉しいことです。

QUESTION.

Hさんが手がけられた仕事について教えてください。

電通沖縄 瑞泉酒造legare

瑞泉酒造様の仕事で言うと、私が担当した時期が、創業130周年にあたる時で、何か大きな花火を打ち上げたいという希望があり、ぜひ盛り上げましょう、ということで、新商品開発や販売の展開を一緒に行いました。その時発売した新商品はパッションフルーツ果汁を配合したスパークリング泡盛リキュール「ズイセン・レガーレ」という商品だったのですが、そのテーマカラーも一緒に考え、発売に合わせてタイムスビルで盛大にイベントも開催しました。
限られた予算の中ではありましたが、いかに商品のイメージに合った装飾を考えるか、担当者と何度も相談を重ねながら、テーマカラーのオレンジを基調とした空間を作っていったんです。生花を飾り、料理の盛り付けも華やかにし、発売を祝うに相応しいイベントになったと思っています。その装飾が話題になって、競合他社さんも視察に来てくれたりと、泡盛業界に新しい風を吹かせることができたという実感があります。
また、創業130周年の企画として、若者向けのテレビ番組を作ってほしいというお題もいただきましたので、社内のチームとともに、RBC琉球放送に同期入社した友人とも一緒に、「若者に届く番組とはなんだろう」と、企画の根本から考えていきました。この時は、沖縄の若い人たちに人気のある前田ロマーシアさんを起用し、泡盛を飲みながら悩み相談に答えるという番組を作ったのですが、ロマーシアさんの鋭い答えもとても面白く、また、番組とSNSを連動させるなどしたこともあり、若い人たちからの反響が大きかったです。電通沖縄のチームはもちろん、メディアの人たちとも協力し合って制作する面白さを味わうことができた仕事でした。

QUESTION.

クライアントからのお題に応えるためにやっていることはありますか?

つねに、担当するクライアントやそこに関係する競合他社の情報を仕入れることは意識しています。若者の意見が求められているのなら、つねに若者の新しい情報を仕入れていかなくてはいけないし、実際に使うのは消費者なので、消費者側に立った意見を大事にしたいと思っています。
今、私自身は、子育て中ということもあり、インプットの時間が少なくなってはいるんですが、ママの私から見るとこの商品はどうなんだろうという、自分の素直な意見もクライアントにとって役に立つと思うんです。当事者だから実感することや、こういう商品や企画があったらいいなということもわかるので、次は、自分と同じ働くママたちを楽しませるようなイベントを県内の企業さんとコラボして企画できたらといいなと思っています。
また、私たちの営業の仕事は、クリエイティブチームとクライアントをつなげる立場なので、クライアントからいただいたお題や情報を正しくクリエーティブのチームに伝えることが必要です。そのためには私自身、伝えるための表現力を磨いていかなくてはと思っています。

QUESTION.

仕事の上で何を大事にしているか教えてください。

私は沖縄で生まれ育ちました。大学進学で一度県外に出たのですが、その時に初めて、県外から沖縄を見て、自分が生まれ育った場所の素晴らしさを実感したんです。人のあたたかさ、食べ物の美味しさ、自然の美しさ……、沖縄にあるものは、他にはない唯一無二なものだったんだなと気づきました。だからこそ、沖縄のために何かできることはないだろうか、と、電通沖縄に入社したんです。だから「沖縄のために」という想いはいつも持っています。
そして、「恩返し」ということもいつも心に思っています。一緒に働く人を大切にすることは、仕事の上で一番大事にしていることです。瑞泉酒造様もそうですが、民間チームに入って、右も左もわからない時、会社の先輩にもクライアントにもたくさん助けてもらった経験があるので、その恩返しをしたい、力になれるようなことをしようと、その精神でやっています。

QUESTION.

アカウントリード部にとってどんな人材が必要だと思いますか?

新しい感性を持っている人、柔軟な考え方ができる人が求められていると思います。ここ数年で、働く環境やクライアントの環境も変化しています。昔の意識のままでは対応していくのが難しい。今はこういう環境だから次は何ができるのかと考えられて、未来を見据えて今を考えることができる人がいいと思います。

QUESTION.

電通沖縄だからできることって何ですか?

電通沖縄は、全社員40名弱で、そんなに大きい会社ではありません。ワンフロアに、総務もいて、営業もいて、クリエーティブもいて、メディアもいて、そのすべてと連携がしやすい、相談がしやすい環境なので、みんなで力を合わせてひとつのことに取り組むことができます。
また、人数が少ない分、営業でありながら、クリエーティブのことも越境してやってみたり、メディアのことも知って対応できるようになったり、すごくマルチになれます。クライアントに何か尋ねられても答えられる、それは営業にとって大きな強みです。
また、沖縄は観光資源も豊かです。観光地として世界からも注目されているこの島を舞台に働けることは幸せだと思います。今はコロナ禍ではありますが、観光による地元企業への好循環を果たすべく、観光経済活性化にも一緒に取り組んでいきたいと思います。

OTHER INTERVIEW